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催告権

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催告権」について

Q 私は、油絵や画材の販売をするお店を営んでいます。先日、あるご老人がお越しになり、50万円の絵を買っていかれました。ご本人はすごくその絵を気に入って即決でご購入されました。ところが、その方は、後見開始の審判を受けており、息子さんが成年後見人になっていることがわかりました。
成年被後見人が単独で行った売買などは後から取り消しができると聞いております。
そうするとずっと後になってからこの売買契約を取り消し代金を返してほしい等と言われるのではないかと心配しております。
うちは、年配のお客様も多く、常にそんな心配を抱えたままでは商売は成り立ちません。
今回の件もそうですが、今後もこういうケースがあった場合、早目に売買契約を確定させる方法は無いでしょうか?

A あります。

それは取引の相手方の「催告権」というものです。

仰る通り、成年被後見人が単独でした売買契約は、後から取り消しが出来ます。しかし、後から取り消されるかもしれない売買契約は不安定で良くないですよね。

そこで、成年後見人に対し、その売買契約を追認するかどうか一定の期間内に返答する様求める事ができ、その期間内に返答がなければ、契約は追認したものとみなす事が出来るのです。

返答が有れば勿論良いのですが、「返答がない場合でも」というのが大きなポイントです。

催告の方法は、証拠の残る書面ということで内容証明で通知することが多いですね。

一定の期間内の返答を求めると言いましたが、この期間は1カ月以上でなければいけないというのもポイントです。

また、この催告ですが、制限行為能力者本人に対して行うことも出来ます。

ただし、その催告が何たるか、受領出来る能力をもつ者に対してしなければいけないので、制限行為能力者の中でも特に保護が必要な、成年被後見人と未成年者に対しては、することが出来ません。

今回対象者は、成年被後見人という事ですので、成年後見人に対して催告することになります。
未成年者の場合は、法定代理人である親に対して催告します。

その他の制限行為能力者の場合は本人に対して催告出来るのですが、またルールが違ったりしますので、同意権を付与された者がいそうな場合は、そちらへ催告するのが無難でしょう。

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