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法律上の氏

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「法律上の氏」についてご紹介します。

Q 私は17歳のときに叔父の養子となってもう20年経つのですが、
このたび事情が有って離縁することとなりました。
私の氏はもともと「山田」でしたが、養子縁組後は叔父の氏である「木村」になっています。長年「木村」でしたし、今は結婚もして子もいますので、このまま「木村」を名乗りたいと思いますができますか?
妻と子の氏はどうなりますか?

A 結論から言いますと市区町村役場へ届出することによって縁組中の氏である「木村」を名乗る事が出来ます。妻子も同様です。

これは縁氏続称(民法816条2)と言われるもので、
養子縁組によって養親の氏に改めた養子は、その離縁によって縁組前の氏に戻るのが原則なところ、一定の期間内に役場へ届出をすると縁組中の氏をそのまま名乗る事ができるという制度です。

この一定の期間というのは、

離縁の日から3カ月以内です。

そして縁組の日から7年以上経っているという条件もついています。

ここでよく誤解があるのは、
あくまでも呼称「呼び方」を継続しているというに過ぎず、
法律上の氏は縁組前の氏に復氏しているという事です。

ここで新戸籍が作られるという事ですね。

そして妻に関しては、夫婦同氏の原則がありますので、法律上の氏も呼び方上の氏もご相談者様と同じになります。

そして同一戸籍に入籍します。

それに対し子は、離縁による法律上の氏の複氏や縁氏続称の効果は及びませんので、改めて役場に届け出ないといけません。

こうして子も父母の新戸籍に入籍させる事が出来るのです。

ちょっと面倒かもしれませんが、離縁しても今までの名前を使う場合は、その旨届出をし、新戸籍がつくられた上で子の新戸籍入籍の届出もしなければいけないという事です。

選択的夫婦別氏制度の議論が重ねられていますが、マイナンバーカード等効率化を重視している中、この制度を認めると更に複雑になりそうですね。
とはいえ、令和3年に行われた世論調査では、今の「夫婦同氏の原則」を維持した方が良いと答えた人は全体の27%だったようです。

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