Loading

精神疾患と離婚

LINEで送る
Pocket

精神疾患と離婚」について簡単にご紹介します。

Q 私の妻は、精神疾患を患い入院治療を数年間続けています。
治る気配も無く、子供たちの今後の生活なども考えると離婚をした方が良いのではないかとの思いに至っています。精神疾患を理由に離婚をすることは可能でしょうか。

A はい、稀ではありますが最高裁の判例もあり、可能です。

精神疾患に至る過程など本当に様々な思いがあると思いますし、疾患があって回復の見込みがないから離婚など、そんな冷淡な事は言えようはずもないのですが、一方で家庭生活も重要です。

民法は「配偶者が、強度の精神病に罹って回復の見込みがない」場合を離婚原因の一つとして挙げています。民法770条

夫婦の義務として真っ先に挙げられるのが「扶助義務」であり、これには、「協力」と「交流」がテーマになっています。

ところが、重篤な疾患にかかり「協力」も「交流」も不可能な状態が将来にわたって継続することが確実な場合においても尚、婚姻関係の継続を強制することまでも法律は求めていないのです。

因みに回復の見込みの無い精神病とは、どういうものか、病名では、躁うつ病、統合失調症、認知症等を挙げてはいるものの制限はしておらず、明確な基準は無いのですが、専門医が3年程度の継続的な治療をしても治癒の可能性が無いと診断している場合と言われてはいます。

勿論、離婚後の妻が療養や生活を確保できなくなる状態は避けないといけませんので、離婚後の公的保護を確保したり、今まで通り経済的援助を続ける等のサポートは必要であり、裁判所は、そのあたりが十分に確保されているかを見て離婚の可否を判断するようです。

尚、重篤な精神疾患に罹っているケースでは意思能力の問題もあり、話し合いを旨とする手続き(協議離婚・調停離婚)は飛ばして、離婚訴訟の手続をいきなり利用するのが実務となります。

関連記事

  1. 時効取得
  2. 公正証書遺言のススメ
  3. 大津いじめ自殺 同級生2人に賠償命令確定
  4. 同一労働同一賃金
  5. 所有権移転登記請求
  6. 未成年者取消権
  7. 相続の流れと対策
  8. 振り込め詐欺
PAGE TOP