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推定相続人の廃除

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「親子の縁」についてご紹介します。

Q 私の息子は、中3くらいから荒れ始め、今現在は成人し家を出て女性と同棲している様です。定職にもつかず、ギャンブルなどをして遊びまわっています。時折、急に家に戻ってきては、勝手にお金を持ち出したり、嫁いだ姉の所までいきお金をせびったりしています。
更には、息子の借金の取り立てが私のところまで来たりしています。
息子には、行動を改めるよう注意するのですが、全く聞かず逆に暴力を振るわれる始末です。
この様な息子とは親子の縁を切りたいのですが、その様な手続きをして頂けますでしょうか。

A 親子関係を解消することは出来ません。

この様なお問い合わせは、実は、少なくないのですが、現在の法律では、実親子関係を解消する方法は無いのです。
※養子であれば離縁することで関係を解消出来ます。

昔から「お前を勘当する!」と言って家の門をくぐる事を禁止する等して事実上、親子の縁を切るような対応をすることはあるのですが、法律上の効果は全く無いのです。

では、どうするか。

この様な息子に好き勝手させたままでは、疲弊してしまいますし、このままではいけないですよね。

一つ考えられるのは、相続権を失わせる事です。

推定相続人の廃除」という制度です。

これは、将来相続人になるはずの者の相続権を失わせる制度です。

条件としては、その相続人に以下の行為があったことです。

・被相続人を虐待
・被相続人を侮辱
・その相続人本人の著しい非行

この相続人排除の申し立ては、必ず被相続人が家庭裁判所に対して調停・審判を申し込む形で行なわなければなりません。
遺言でも出来ると記載されていることもありますが、確かに出来ますけども、その場合も、のちに遺言執行者が、家庭裁判所に申し立てをする事になります。

今回のお問合せのケースでは「著しい非行」があったという条件に該当しそうですね。

尚、この廃除の申し立ては、いつでも取り消し請求できる事となっています。

「いつでも取り消せる」等、少々珍しいですよね。

まあ、成人したとはいえ、20歳そこそこですし、グレた原因など家庭内の状況もあり、素行が改まることもありますよね。

家庭内の事ですので、裁判所も柔軟に対応しているということでしょう。

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