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婚約解消を懇願

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「恋情の代償」についてご紹介します。

男性Cは、女性Bと5年間肉体関係を継続していました。
しかし、交際関係と言えるのか曖昧な中、親の勧めもあり女性Bは、ある海運会社の社長である男性Aとお見合いをし、以後結婚に向けお付き合いをすることとなりました。そこで女性Bは、男性Cに対し、関係を清算したい旨申し出ましたが、男性Cは、結婚に猛反対し、婚約後も諦めきれず3回も関係を持ちました。

男性Aは、女性Bと男性Cの浮気を疑いましたが、男性Cは、これを真っ向から否定し、それどころか「疑いをかけるなら告訴するぞ!」と脅迫するに至りました。
男性Aは、会社の代表取締役でもあり、事を荒だてるのは避け、男性Cの言葉を信じ女性Bと結婚しました。

ところが、結婚後になってやはり二人には関係があったことが判明し、
強い精神的打撃を受け、夫婦間は、離婚はしないまでも円満な意思疎通ができなくなってしまったのです。

男性Aは、男性Cに対し不法行為に基づく慰謝料請求をしました。

女性側から関係解消を迫っていたのに、女性を諦めきれず、婚約解消を懇願し、婚約後も3回関係をもった男性に対し裁判所はどのような判決を下したのでしょうか。

答えは、認容判決です。

これは、婚約当事者の有する「法的地位の侵害」を根拠にしていますが、
裁判所は、この未練がましい行為によって、婚約解消を余儀なくされた場合だけでなく、今回の様に婚約は解消せず結婚はしたが、その後円満を欠き、存続が危ぶまれる状態に至った場合にも「法的地位の侵害」にあたるとしています。

ここは、重要ですね。自分が原因で婚約解消したわけでもなく結婚したのだから何の責任も無いだろうと男性Cは考えたかもしれませんが、彼の言動や侵害の態様を考えると許されないという事です。

因みに第一審では、慰謝料5万円
第二審では、慰謝料50万円

といずれも金額は低いのですが、その開きは10倍もあり、
やはり慰謝料には、相場は有って無いようなものと言えそうですね。

それにしても、恋情の代償が50万円ですか・・・

課題が有りそうな判決ですね。

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