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土地工作物のケガ

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子供が近所で遊んで帰ってきたら、ケガをしていて、理由を聞くと「木塀が突然倒れてきた」と言うのです。

この子の治療費をその家の人に請求する事は可能でしょうか?

それとも、木塀の修理費を逆に請求されてしまうのでしょうか?

以前、コンクリートの壁が突然倒れてきて子供がケガをしたというニュースがありましたね。

何があるか分かりませんので、古そうな壁からは離れて歩く様に注意したいですね。

さて、責任の所在ですが、

木塀の様に土地に接着して人工的に築造された設備を土地の工作物といいます。
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があって、他人に損害を与えた場合は、土地の工作物の占有者は、自身に過失が無かった事を立証しない限り、損害賠償責任を免れないとされています。

よって、木塀にそもそもの問題があった場合は、治療費を含め、お子様が受けた損害を請求することが出来ます。

ただし、お子様が木塀によじ登って遊んでいた等の事情が有る場合は、
治療費を請求する事が出来ず、逆に修理代を請求されてしまいます。

でも、ちょっと待ってください。

たとえ、お子様が木塀に登ってしまったとしても、元々木塀が古くて、本来の強度も無かったかもしれません。

それは、土地管理者の過失と言えるのではないでしょうか?

これは、判例によると、

木塀は、人が乗る目的で作られたものではなく、人が乗って耐えうる強度は要求されていないとして、過失は認められませんでした。

単に寄りかかっただけで倒れた場合は、勿論過失有りという事になります。

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