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三次会でのセクハラ

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「三次会でのセクハラ 会社の責任は?」について

春は、異動も多い時期で飲み会も増える季節かと思います。

コロナ禍で一時期は姿を消していた会社主催の懇親会なども増えてきたのではないでしょうか。

今日ご紹介するのはその様なケース。

会社主催の懇親会は大いに盛り上がり、二次会、三次会と流れて行きました。

そして、三次会も終了し、三々五々、タクシーに同乗して帰宅する中、男性上司が女性従業員に対し、タクシー車内で抱き付き、キスをし、性交渉を迫ったというものです。

女性従業員は、上司の更に上司に即報告をし、対処を依頼しましたが、翌日から恐怖で会社に出社することも出来なくなってしまいました。

ところが、報告を受けた上司は、当人同士の間に入って話し合いの機会を設けたものの、会社として事実関係の調査を行うこともなく、個人間の問題として扱ったのです。

当該女性従業員は、当然、会社に対し不信感を抱き退職を余儀なくされたとして会社とセクハラ上司に対し慰謝料を求めて民事訴訟を起こしました。

結果から申し上げますと、当該セクハラ上司は、当然、不法行為責任を認められ示談金50万円を支払っていましたが、会社も対応が不適切だとして会社に対して慰謝料150万円が認定されています。

この「三次会」が会社の監督の及ぶ範囲か?と言われると確かに微妙なところもあり、個人間の問題として、今回のケースの様な対応をする会社は少なくありません。

しかし、裁判所は、三次会に出席しているメンバーが変わらずこの会社の社員のみであること、三次会においても尚、職務についての話しがされていたこと、タクシーに同乗させたのは会社の指示であることを挙げ、会社の管理下にあると判断した様です。

その上で、事実関係の調査すらしなかったのは、「不適切」との判断を下したという事になります。

会社の飲み会なのだから当然と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、この二次会、三次会に関しては、会社の責任は否定される事も多い中、この会社は、被害に遭われた女性従業員と真摯に向き合わず、事実関係の調査すらしなかったわけですし、企業の姿勢が問われたという事例でした。

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