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プライバシーと騒音

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プライバシーと騒音」についてご紹介します。

事例: マンション階下の住民が、騒音に悩まされ、上の階の住民が発生源だと決めつけ、それを管理組合の総会及び理事会で名指しで発表した事例

今回、階下住民は、上階から聞こえてくる深夜のゴルフパターの練習音に悩まされていました。その発生源をよく調べもせず、階上住民を名指しでマンション総会・理事会にて発表し、更にその私生活は「最低限のルールすら守らない」「自己中心的」等と揶揄したのです。
これに対し、階上住民は、プライバシーと名誉を侵害されたとして、500万円の慰謝料とマンション管理事務所掲示板への謝罪広告の掲示を求め裁判を起こしました。

裁判所の判断:慰謝料50万円を認容、謝罪広告は却下

近隣の騒音はよくある話しですね。

今回は、騒音の発生源を確認もせず、いきなり大勢が集まる総会や理事会で名指しで中傷している事が問題になりました。

当事者間でまず事実確認のやり取りをするべきでしたね。

また、普段からそういう事をする人間だとプライバシーに入り込み、侮辱した事も問題視されていますが、裁判所は「上階住民の地位」を考慮したと言っています。
地位とは、今回の場合、上階住民が「税理士」であった事を指していますが、本来、地位で人を判断してはいけないところ、名誉毀損に関しては、国家資格保持者という信頼を損ないかねない侮辱行為を問題にしたとの事でした。

名誉毀損の場合は、相手の地位や立場など具体的事情も考慮されるのですね。
それと謝罪広告は却下されたのですが、これは、マンション全体の問題ではなく、それを全体に知らせることは、紛争を再燃させるばかりか、新たな紛争を惹起させる可能性も否定できないから、としています。

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