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不倫の慰謝料請求

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不倫の慰謝料請求について」について、タイムリーな判例が出ましたのでご紹介します。

離婚の慰謝料 特段の事情が無い限り、配偶者の不倫相手には請求出来ない

2月19日に出た最高裁の判決です。

えっ!?不倫が理由で離婚に至ったのに、浮気相手に慰謝料を請求する事は出来ないということなの??

はい、この文章をそのまま解釈すると、その様になります。

これでは、まるで不倫を擁護しているかのような判決で不当な判断だと言いたくなりますよね。

ただし、少し待ってください。

裁判所は、あらゆる局面から総合的に判断して判決を出しますので、
こういう場合は、そもそもの事件はどういったものなのか見てみる必要があります。

今回のケースは、訴えたのは夫で不倫をしてしまったのが奥さん。

そして、離婚をしたのは、2015年で、妻が不倫をしていたのは、そのもっと前でその不倫事実を夫が知ったのは、2010年です。

2015年に「不倫に伴って離婚に至った」として相手男性に慰謝料請求をしたのですが、この時点で不倫の慰謝料請求は消滅時効(3年)にかかっていたのですね。
そこで、夫は、「離婚慰謝料」とすれば、まだ時効にはなっていないと判断し裁判を起したという流れなのです。

こうなってくると話が少々違ってきますね。

勿論、不倫はいけない事で制裁的な意味合いでいえば、慰謝料を認めたいところですが、不貞行為があってから10年以上経って離婚に至っているのに、
10年以上前の話しを持ち出し、慰謝料を求めるのはかなり無理があるかと思いますよね。

裁判所も、「不倫によって、婚姻関係が破綻し離婚に至ったとしても、第三者(その浮気相手)が、離婚をさせようと不当に干渉をする等の特段の事情が無ければ離婚慰謝料の賠償責任を負う事は無い。」と判断したのです。

時間も経っているし「離婚の慰謝料」と「不倫の慰謝料」は分けて考えなさいという事ですね。

決して「不倫では、浮気相手に慰謝料請求は出来ない」という事では御座いませんので、ご注意ください。

不倫をされた側は、離婚するしないに関わらず、不倫相手、不貞配偶者に慰謝料を請求する事が出来ます。

時間が経ってから、因果関係が不明な「過去の出来事」をもちだし、慰謝料請求をしても、もう遅いですよ、という判例でしたね。

何か権利を主張したいという時は、速やかに手続きするようにしましょう。

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