自転車で走行中、通学中の高校生の子と接触し、怪我をさせてしまいました。
一応、連絡先は交換したものの、怪我も軽そうでしたので、その場で3万円渡し、示談をしたのですが、後日、その子の父親から示談は無効だ!今後の治療費と慰藉料、それから弁護士に依頼するからその弁護士費用も請求する!と言われました。
相手ももう高校生ですし、示談は無効なのでしょうか?
相手の弁護士費用も支払わなければいけないのでしょうか?
回答は、誤解されているケースが、未成年者との示談ですが、無効ではありません。
一応、有効で親が取り消せるという状態になります。
民法第5条
未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。 ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
この条文の「ただし」以降を紐解くとその様に解釈できます。
この場合、取り消されるかもしれないという不安定な状態ですから、やるべき事としては、1カ月以上の期間を定めて未成年者のした行為を認めるよう内容証明を送る事です。
この期間内に回答が無ければ、未成年者の行為を認めたものとみなされ、示談は有効である事が確定します。
1つ目の誤解は、未成年者との示談は無効だと思っていた事であり、実際は「一応 有効」あとから親に取り消される可能性があるので対策が必要というものでした。
そして、2つ目、弁護士費用は誰が負担するのかという問題です。
これも誤解の多いところですが、基本は、依頼をした本人です。
今回のご質問の場合は、相手方親が支払う事になります。
よく裁判例で
「訴訟費用は被告の負担とする」という判決があり、誤解を招いていますが、これは印紙代などの裁判費用(手数料実費)の事を言っております。
ただし、交通事故の場合は、特に完全に被害者である場合、この事故が無かったらかからなかった損害実費とも言えますので、
弁護士費用全額ではなく相当程度の弁護士費用も認められるケースが御座います。
相当程度というのは損害額の10%くらいが多いです。
2つ目の誤解は、弁護士費用は相手に請求出来ると思っている事です。
請求出来るのは、裁判費用であり、弁護士費用は全額ではないものの請求出来るケースがあるという事でした。