「改名の仕方」についてご紹介します。
Q 私は「小三」という名前です。読み方は「しょうぞう」なのですが、
幼少の頃から周りに「こぞう」とか「何年になっても小3だな」等と揶揄されてきました。私はそれが嫌で小学校以降「省三」という通名を使用しており、それ以降の学校も職場も友人の間でもその名で通っています。それだけでなく、健康保険証や銀行の通帳もすべて「省三」となっています。
この度、戸籍上も正式に「省三」という名に改めたいと思いますが、出来ますでしょうか?
A 結論から言いますと出来ます。
先週「届出」によって養子縁組中の氏を名乗る事が出来るとご紹介しました。
改名の場合は、家庭裁判所の「審判」を受ける必要が有りますが、そこで認められれば、改名することが出来るのです。
ただし、みだりにこれを認めると本人の同一性が担保されませんので、「正当な理由がある」ときに限って認められるとされています。
正当な理由は、改名の必要性と社会生活に与える影響を比較して決めるとの事です。
具体的には、
1.営業上の目的から襲名する必要があること
2.同姓同名者がいて社会生活上不便であること
3.宗教上、改名の必要があること
4.珍奇な名前のため社会生活上支障があること
等の事実を検討することとなっています。
自分の名前が好きじゃないとか占いで画数の縁起が悪いと言われた等は正当理由とは言えません。
しかし、今回のご相談のケースは、この4つどれにも当てはまりそうにないですよね。名前が珍奇なわけでもなく、それを揶揄する周りがいけないようにも感じますが、今回みたいに通名として「永年使用」してきたケースも正当理由として認められることがあります。
既に本人を表す名として機能しているわけですから、改名による社会生活上の混乱は少ないですよね。
この永年使用、おおよその期間は7年ないし10年などと言われています。
改名の際は、家庭裁判所の審判を受けますが、この永年使用の場合は、その改名の必要性を証明する資料を提出する必要があります。
資料として考えられるのは、通帳や健康保険証、学校の卒業証書、友人からの年賀状などが挙げられます。
審判が通ればあとは役場で届出をすれば、正式に戸籍上の名前も変更されることとなるのです。
私なら幼少時の様々な呼ばれ方をあだ名として受け入れてしまいそうですが、その当時の言われ方もあるでしょうし、本当に嫌なら通名を使用し続け、後に改名という手段もあるというお話しでした。