13日に「不同意性交罪」が施行されましたので簡単に触れておきます。
ニュースにもなっていましたので、従来の強制性交等罪と準強制性交等罪が統合されて「不同意性交等罪」になった事をご存知の方も多いかと思います。
当事務所では、刑事事件の告訴状も扱っていますが、これまでの強制性交ですと、犯罪の成立要件が曖昧でした。
強制にしても準強制にしても、拒絶するのが不可能な状態であることが一応の要件のようになっていましたが、その背景として、相手が元々知っている友人であったり、好意を抱いているようなやり取りが少しでもあったり、自らホテルに入っていた様な場合は、警察に門前払いされることも多かったのが実務です。
そのため、閣議決定されてからは、今後、不同意性交罪が施行されるのを前提で法律構成し告訴状を受理させていた等の経緯も御座います。
何が大きく変わったかと言いますと、犯罪の成立要件が具体化されたという事です。
即ち、その名の通り「同意の有無」が成立要件です。
性同意年齢も、これまでの13歳から16歳に引き上げられ、16歳未満に対する性交はこの罪に問われます。※同世代間は除く
そして同意を困難にさせる要因として8項目を明確にしました。
・暴力 脅迫
・恐怖 驚愕
・アルコール 薬物
・虐待
・地位の利用(上司と部下 教師と生徒等)
・睡眠その他意識不明瞭
・不意打ち
・心身の障害
さて、ではこの同意の有無はどう判断されるのでしょうか?
このあたりは何も明確になっていないのが現状です。
まさか、毎回毎回、同意書を交わす等ないと思いますし、事細かに同意を取ろうとする様が何か興醒めですよね。
とはいえ、冤罪を防ぐためにはある程度リスク管理も必要です。
ネットで知り合った見ず知らずの人と関係を持つのはもっての外、男女の関係も急ぐのではなく、しっかりステップを踏むなど性交に対する意識は変わってくるのかと思います。
この犯罪で7月15日に初の逮捕者が出ましたが、今後の判例にも注目ですね。
また、この条文には「婚姻関係の有無にかかわらず」という文言が入っていますので、夫婦間でも適用されるという事です。