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退職願の撤回

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「退職届の撤回」についてお話しします。

ご紹介する事例は、公立小学校の教師の話しです。

長年、教員として勤務した小学校から他校へ転出するよう県から指示をされていました。ところが、当該教員はそれを不服とし、退職願を校長へ提出したところ、校長から説得を受け、異動を受け入れることにし、退職願の撤回を求めたのです。

企業などでも、よく有りそうなやり取りですね。

本件は、ここからが問題で、この校長及び市の教育委員会から県の教育委員会の方へ話が挙がっていたのですが、その後撤回の取り継ぎを怠り、県から退職承認処分が成されてしまったというのです。

この退職処分も後日、取消されたのですが、杜撰な取り継ぎは違法であるとして市教育委員会と校長を被告として訴えました。

結果、裁判所は、個人の責任は否定しつつ、県に対し国家賠償法3条1項に基づき慰謝料36万円を認定しました。

一連のやり取りを、「違法な職務執行」と認定したという事ですね。

さて、この退職届、これは一体いつまで撤回できるのでしょうか。

細かい話しを抜きにすると、退職届は2パターンあります。

1.辞職の通知
2.合意解約の申込み

辞職の通知の場合は、到達主義と言いまして、使用者の元に到達した時点で効力が生じ、使用者の承諾は必要ありません。(民法626条)
この場合、基本的には撤回は出来ません。

到達後2週間が経過すると辞めたことになります。(民法627条)

合意解約の場合は、使用者の承諾が必要ですので、使用者の承諾前であれば撤回可能です。

ただし、ここでよく問題になるのが「使用者の承諾権限」です。

誰にその権限があるのか、社長には当然あるとして、取締役であればどの部署の取締役でも権限があるのか、人事部でないと駄目なのか、現場で採用などをしている場合、その工場長などにも権限はあるのか、等々ポイントは沢山あります。
判例を見ても、現場の工場長に認めたケースもありましたし、逆に常務取締役が承認しているのに、労務部の取締役でないから承諾に至っていないと判断されたケースも御座いました。

こういったトラブルを回避する有効な手段としては、やはり書面を残す事、
それも書証として利用できる内容証明通知書(配達証明付)で残すことが肝要であり、「退職届受理承諾書」とタイトルを明確にした上で、いつ誰からの退職届に対し、いつ付で受理したのかを代表名で通知しておくことが何よりも重要です。

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