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使用者責任と環境責任

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使用者責任と環境責任」について
使用者責任とは、雇用主の責任ですが、以下のケースの場合、この使用者責任が問えるのかが問題になります。

病院内で男性看護師から、ひわいな言動を受け続けた女性看護師がいました。
男性看護師の言動は酷く、特に夜勤で一緒になった際には、当該女性看護師のそばに来て太腿や胸を無理矢理触る行為に及んでいました。

これに対し当該女性看護師は、当該男性看護師と夜勤が被らないよう病院側に御願いしていました。
しかし、病院側は、男性看護師に何ら注意することはなく、この様な行為が何度か繰り返されて初めて動き、男性看護師に懲戒処分を下し副主任という役職も解きました。

さて、この場合、病院に対し使用者責任を問うことは出来ますでしょうか?

職場内で起きている事ですし、出来そうな気もしますが、裁判所は、「業務との密接関連性が認められず使用者責任を負わない」と判示しました。

そうです。

使用者責任は、「業務と密接に関連」しているときに問えるものだったのです。

今般の件は、男性看護師個人の資質の問題であり、セクハラに該当する言動の責任は使用者である病院には無いという事です。

しかし、諦めてはいけません。

ここで使える理論が「職場環境配慮義務」というものです。

今回、当該女性看護師は、男性看護師と夜勤を一緒にしたくない、と伝えていましたね。それなのに病院側はすぐに対応をしませんでした。
これが、正に環境責任というもので、その義務の不履行が認められるとして本判決では、男性看護師に50万円、病院にも50万円の慰謝料が認められました。

職場だと、すぐに使用者責任が思い浮かびますが、従業員による不法行為でも業務との関連性が薄い行為で損害を被った場合は、別の理論を考える等、事案に応じた様々な法理を活用することの重要性を示唆する判例でした。

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