Loading

時季変更権

LINEで送る
Pocket

時季変更権」についてご紹介します。

有給休暇を取ろうとしたときに、上司から

「こんな忙しい時季に何で今なんだ!どんな用事なんだ!?」

等と言われることがあります。

そもそも、有給休暇は労働者の権利であり、取得理由は不要です。

それなのに実際現場ではこの様な会話が聞こえてきそうですよね。

理由は勿論不要なのですが、時季に関しては使用者側にも一定の権利があります。

それが、「時季変更権」です。

労働基準法第39条
「請求された時季に有給休暇を与えることが、事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。」

問題になるのは、本当に自分が休む事で「事業の正常な運営を妨げる」のか、という事ですね。

ポイントは、
・繁忙期なのか
・代わりはいないのか
この2点くらいです。

繁忙期が問題となった裁判例で、タクシー会社の例が御座います。

乗務員から年末年始(12月31日~1月4日)の有給休暇請求が御座いました。
つまりお正月休みですね。

これに対し会社は、何と時季変更権を行使し、有給を認めず欠勤扱いとしました。
この時季は、タクシーの稼働数自体が減少しタクシーの需要が高まるというのが、その理由でした。

世の中全体としてタクシーが減るので、うちの会社はフル稼働で行くぞ!
といったところでしょうか。

これは、実質、繁忙期とは言えず、業務に具体的な支障が生じるとは言えないですよね。裁判所もその様に判示し、業務上の必要性は認められず違法と判断しました。

慰謝料は10万円です。(別途差額賃金も認められています)

因みにタクシー業界の繁忙期は、3月、歓送迎会やらお花見やらのシーズンと12月忘年会シーズンです。
年末年始は確かに繁忙期ではないですよね。他が働いていないときに働けという経営者の考えもわからなくはないですが、時季変更権まで行使すると違法とされてしまうことがありますし、労基法違反にまで問われることも御座いますので、頑張るのは良いのですが、法を侵してはなりませんね。

※労働基準法第119条「罰則」
6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金

関連記事

  1. 公正証書作成の手順
  2. 粗野・乱暴の罪
  3. 公正証書無効事由
  4. 個人の不法行為責任
  5. 交通事故、加害者の誠意
  6. スマートフォン交通事故
  7. 改正児童虐待防止法
  8. 自力救済禁止の原則
PAGE TOP