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配置転換が無効

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私がサラリーマンだった時代(もう15年ほど前になりますが)、報復人事等とは全く違い、生産性の向上、人材育成の一環として同じ営業所にずっといることはなく、配置転換で全国をぐるぐる回して、様々な経験をさせ、成長を促すという人事が当たり前でした。営業所長にもなると2年に1度は転勤があり、大抵、家族も一緒に動き回ることは出来ないので、殆どの所長は単身赴任でした。しかし、一つの場所に定着すると仕事もマンネリ化したり癒着が生じたりなど不都合もあり、一定の効果はあったようですね。
引越を伴う転勤は当たり前、転勤命令を断るなどという発想そのものがなく、これが海外の企業とは真逆な日本企業の特徴だったように思えます。

時代は変わり、コロナでテレワークが進みました。

すると、実は家に居ても仕事はできる、ということが判り、全国をぐるぐる回す意味すら無くなって、より効率を重視するようになってきました。

働き方改革などと言われていましたが、パンデミックで強制的に働き方が変わった感じですね。

最近の裁判例を見ていると、時代に合わせ裁判所の考え方も変わってきたように感じます。

これまで、転勤が当たり前の日本でも、時に「配置転換」が無効となる事もございました。

無効となり得る例としては、報復人事を含む、業務上「必要が無く」且つそれを受けた従業員にとって受忍限度を著しく超える「不利益」を負わせるもの、とされています。

ただし、昔は、この業務上の必要性の部分がより広く解釈されており、所謂、人事権の発動は会社側の権利として許容されてきた経緯が御座います。

それが、最近の傾向としてはより従業員側にシフトしていっているように感じるのです。

テレワークで家族と過ごす時間が増え、子供の保育園の送り迎えも父親がやっている姿を目にする機会が増えましたよね。

しかし、配置転換があったらそれが出来なくなります。

それは嫌だ、拒否したい。

そういった主張は通るのでしょうか。

結論、
その事だけでは、通常受け入れるべき範囲内として配置転換は有効とされるものの、そこに親の介護が必要であったり、その他援助を必要とする家族(精神疾患を含む)が居る場合は、そちらを重視する傾向になってきています。

これを主観的事情と客観的状況の比較衡量と言い、自身の感情だけでは駄目ですが、状況次第という事ですね。

一方、コロナ禍の業績悪化などで、アルバイト従業員に異動を命じるケースなども出てきている様ですが、個人の感情だけでは通用しないとしても、
何で?アルバイトなのに?と強く思いますよね。

比較的新しい判例で「権利の濫用」にあたり、無効とされた例があります。

その判例では。

基本的にアルバイトは家の近くの通いやすい場所を選んで働くものといった客観的事情を会社に重く受け止めさせ、それを超える合理的な理由は無いと判示しました。

配置転換も昔のようには認められず、従業員やその家族、状況などを考慮して慎重に下す必要があり、その強要はパワハラにもなり得ますので、注意が必要な時代になったということですね。

企業も個人も変化を受け入れ柔軟な対応が必要な時代ということでしょうか。

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