「訴訟態度」について
事例としては、男女トラブルで、所謂、結婚情報サービスを悪用した被害なのですが、原告は女性で、被告は男性です。
男性が、結婚する気は全く無いのに、はぐらかし、継続的に長期間性的関係をもったというものです。
非常に不誠実ですが、刑事事件にも民事トラブルにもなかなかなり得ないところかと思います。
しかし、これに対し、女性は、人格権、貞操権の侵害による慰謝料300万円を求めて提訴しました。
そして、結論から言いますと、その全額が慰謝料として認定された、という結果になりました。
何故、この様に高額な慰謝料が認められたのか。。
それは、被告の態度が悪かったからです。
被告は、応訴の中で、概ね以下の事を言いました。
・女性の交際は金目当てだ。
・女性は風俗店で働いていた。いつの時代も、風俗営業に従事する女性は敬遠されている。
・うちは医者家系で厳格である。女性の職歴が発覚すれば結婚など考えられない。
・自分は商社に勤務している。
実際に女性は、カラオケパブでアルバイトをした事があるだけでしたが、水商売に従事している者一般を蔑視しており、その反面、自分の家系は病院を営む高級な職業であると豪語し、自分も商社という程度の高い仕事に就いている等との考えは、あまりにも自己中心的ですし、精神的に未成熟だと裁判所は判断したのです。
そして、そういう態度が、人格権侵害にあたり不法行為を構成すると結論付けました。
今回の件、刑事手続きで抑止することはできず、またこの様な態度の男性ですから、示談や民事調停などの手段に頼ることも出来ないであろうと考えた裁判所は、裁判手続きにおいて、女性が求める慰謝料全額を認めること以外に抑止を図る手段はないと判断した様です。