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刑法第39条

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「原因において自由な行為」についてご紹介します。

4年前に起きた30歳の男性による神戸5人殺傷事件の無罪判決が、神戸地裁で出ました。
この事件は同居していた祖父母と近所に住む女性3人を殺害したほか、母親ら2人を金属バットで殺害しようとしたという事件です。

これが、裁判員裁判で無罪になったというのです。

刑法は、責任主義を取っていますので、無罪になったということは、責任能力が無いと判断されたということになります。

こんな判決を許していいのか!人を殺害しておいて無罪とはなんだ!

と叫びたくなる結果ですが、これは常に議論がされてきた刑法第39条の問題になります。

刑法第39条
1.心神喪失者の行為は罰しない
2.心神耗弱者の行為はその刑を減軽する

精神障害のため、全く判断能力が無いか著しく低下している状態かの違いがこの2つです。
※2つ目は「しんしんこうじゃく」と読みます。
検察側(被害者側)は、当然、心神耗弱状態を証明し刑事責任はあるとしたかったのですが、弁護側(加害者側)および裁判員は、心神喪失状態と判断したのです。
実際、犯行当時「自分以外は、人間の姿をしているが感情が無い存在「哲学的ゾンビ」であるという妄想」を信じて犯行に及んでおり、その妄想を信じ切って犯行を止める事なく実行したこと自体、心神喪失状態であった合理的疑いが残るとして当該男性に無罪の判決が下りました。

到底納得のいく判決では御座いませんが、現実としてこの様に判断されることがあるのです。

では、よく「お酒を飲んでいて何も覚えていない」等という言い訳がなされますが、これはどうでしょう。

理論上は、お酒に酔って、物事の認識ができなくなり、責任能力が無いほどに酩酊していたとなると刑の免除や減軽が有り得るということになります。

ただし、そんなに甘くはありません。

これが今日のテーマ「原因において自由な行為」です。

略して「原自行為」と言うようですが、要は、自ら心神喪失状態に誘導したでしょうというもので、お酒を飲んだらどうなるかわかっていたのに自らそういう状態にしたということは「責任能力がある」と判断されるという考え方です。

ただ更にこれを逆に考えると、どうなるかわかっていなかった場合、
例えばお酒を無理矢理飲まされ複雑酩酊に陥ったり、間違えて薬を飲み記憶が飛んだりなど予見できなかった場合は、刑法第39条により刑の減免は有り得るということになります。

この刑法第39条は、映画にもなったくらいで、国民の関心も高い条文ですね。

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