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不作為犯

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「不作為犯」についてご紹介します。

不作為犯という犯罪があるのはご存知でしょうか。

代表的なところですと、医師が診療上、問われることがあるもので、本来やるべき検査や治療をしないことが債務不履行だとして責任追及されてしまうものです。

溺れている人を助けなくても、直ちに犯罪にはならないように、一般の方には関係無さそうですが、そうではありません。

不作為とは、一定の動作を行わないことであり、それが犯罪になったケースがあります。

某有名人のケースで当時ニュースにもなっていたかと思いますが、

ホテル内で覚せい剤を注射した後に、女性が頭痛や吐き気を訴え錯乱状態になっていたにも関わらず、ホテルにそのまま置き去りにして立ち去ったという事件です。
これは、当初、救命可能性は100%ではなかったとして因果関係を否定していたものの、同決定では、被告人が直ちに救急車を呼んでいれば、十中八九救命可能であったとして有罪となったのです。

この十中八九というのは曖昧な表現ですが、

その行動をしていれば被害が発生しなかったと言える因果関係が必要であり、その行動をするのは、道義的なモラルとしての問題ではなく、法的な義務でなければならないとされています。

法的な義務として列挙されているのは、「法令」「契約」「事務管理」
ここまでは分かりやすいですよね。
そして、もう1つが「条理・慣習」です。

この「条理・慣習」上、何もしなかったことが罪に問われることもあるのです。

モラルや道徳に反するというだけで罪に問われることはないのですが、法的義務が発生する事との堺が曖昧なものも御座いますので、モラルの延長上で犯罪になってしまう「不作為犯」というものもあるということは知っておくと良いですね。

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