「少年法の改正」についてご紹介します。
来年4月に成人が18歳に引き下がるのを受け、少年法の改正案が可決されました。
これまでは、20歳未満を「少年」と位置づけ少年法が適用されました。
今回、民法では、成人が18歳に引き下げられますが、今回の改正により、少年法の適用年齢も18歳に下げるわけでは御座いません。
ここが、いろいろな法律との絡みやプライバシー保護や更生の観点から難しい判断が必要なところなのです。
例えば、18歳以上が成人なら、飲酒・たばこも18歳からOK?という問題もあります。
これは、法改正必要なく現行法でも「20歳未満の者」は禁止するとなっているので元々駄目です。
同じ様に、パチンコは、風営法の管轄ですが、以前より「18歳未満の入店」を禁止していたので、これも法改正は必要なかったのです。
法律の細かい所を見ると、意外と「未成年者」という言葉は使っていないようですね。
では、競馬、競輪はどうでしょうか。
競馬、競輪などの公営ギャンブル、これは其々、競馬法、自転車競技法などの特別法で定められていますが、こちらは「未成年者」を禁止していましたので、改正され「満20歳の者」とされました。
今回の少年法改正のポイントは、18歳、19歳の取扱いで、一応成人なのだけど、大人と同じ扱いにするのではなく「特定少年」という位置づけを設けたところの様です。
「少年」とついていますので、「少年法」の適用を引き続き受けるという事です。
それでも17歳とは違うという事で、扱いは厳しくなった様です。
ポイントは2つ
■事件を起こしたら実名報道可能(起訴された場合)
■刑事裁判にする対象を拡大
少年は、検察からいきなり刑事裁判にいくのではなく、一度、家庭裁判所に送致されます。そこで矯正の余地があるのかどうか判断し保護観察等が行われます。ただし、矯正の余地無しと判断した場合は、検察官に差し戻し(これを逆送致と言います)起訴されれば、刑事裁判を受ける事になります。
これは、今までと同様なのですが、この逆送致する範囲が、殺害や傷害致死等だったところを拡大し、強制性交などを含む法定刑下限が1年以上の罪、になりました。
そして、逆送致後、起訴された場合は、実名報道も可能となったという事です。
この実名報道に関しては、ネット社会での様々なリスクを考え、異論もあるところなのですが、犯罪が若年齢化してきている中、抑止力にもなりますし、適正だと判断されたのでしょうね。