「原因と結果」因果関係というものですね。
何か不法行為があって、それが原因で精神を病んでしまった場合、主張する側が、その因果関係について立証しなければなりません。
そうでなければ何でも訴える事が出来てしまい、事実無根な虚妄の通告によって不利益を受ける者が出てきてしまいます。
これを挙証責任と言います。
よって、基本的に民事訴訟では原告がこの挙証責任を負います。
※刑事事件では検事が負う事になります。
つい先日、「大津いじめ自殺 同級生2人に約400万円の賠償命令確定」という記事を見ました。
これは、10年前の大津市で起きたいじめ事件の判決です。
中学2年生の男子生徒が同級生からいじめに遭い、それを苦として、マンションから飛び降り自殺をしてしまったという事件でした。
これは慰謝料が認められて当然だと思われると思いますが、
実は、これまで、いじめと自殺の因果関係を立証するのが非常に困難でした。
何故ならば、裁判所は、いじめで自殺をすることは「特異的」と判断していたからです。
よって、通常生じる損害とは言えないという判断だったのです。
これを覆す為に、様々な立証を強いられてきた歴史が有る中、
今回の最高裁の判例は「いじめを受けた被害者が自殺をすることは一般的に有り得ることで、損害は通常生じるもの」と認定しています。
弁護士からも、非常に先駆的な国内初の判例と判断されている様です。
このあたりの立証のハードルは下がっていく傾向にあるのだと思いますし、
コロナの影響で、昨年11月の自殺者は、前年比11%増という統計も出ています。特殊な状況下ですから、様々な支援が必要なだけでなく、法が適用される場面でも、情況に則した先駆的な判断も求められてくるものと思われます。