自転車事故の過失についてご紹介します。
自転車事故が増えているお話しで、その中でも「安全不確認」が半分を超えており、慰謝料の相場も大方決まっているというお話しをさせて頂きました。
クルマを運転していると、側道をフラフラ走っていたり、大きく車道側に割り込んで来る自転車を見かけることもあります。
今日ご紹介する案件もその様な事例です。
被害者は1歳のお子様。
母親が補助椅子に乗せて走行中、バランスを崩し車道側に転倒しました。
後ろから走行してきたクルマが避けきれず、側面に衝突した事故です。(さいたま地判 平成16・4・23)
加害車両とされてしまったクルマ側には少々不運な事故の様にも感じますが、この事故は大きな事故になってしまいました。
被害者のお子様は、外傷性脳挫傷、クモ膜下出血、頭蓋骨骨折、てんかん及び精神遅滞との傷病名がつき症状固定となりました。
実際、身体症状も酷く、頭部外傷に伴う精神神経障害が後遺障害等級1級3号に該当すると認定されました。
慰謝料としては、
傷害慰謝料(入通院) 200万円
後遺障害慰謝料 2500万円
両親の慰謝料 各々100万円
が認定されています。
両親の慰謝料は、「一生、全面的な介護が必要」なため認定された様です。
さて、この場合、自転車側にかなり過失が有るように思えますが、過失割合はどうなっていたのでしょうか?
それは、ずばり、
自転車側:クルマ側=35:65
裁判所は「自転車がふらついているのを見かけたら、バランスを崩し車道側に出て来ることを予見し、安全に自転車を追い抜くように走行するべきところ、漫然と進行した過失が有る。」としています。
何だか理不尽にも感じますが、クルマを運転するという事は、それだけ責任も重いという事ですね。
あおり運転といい、証拠保全のためにはドライブレコーダーは必須ですね。