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自動車恐怖症

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「自動車恐怖症」についてです。

これは、宮崎地裁の判決なのですが、

平成11年に起きた、自動車と自転車の事故の判例です。

Y運転の自動車が、交差点を右折しようとしたところ、横断歩道を自転車に乗って走行していたXの右側面に衝突しました。

本件事故により、Xは、打撲、外傷性頚部症候群などの障害を負わされた他、その後、自動車が怖くなってしまったとの事で「自動車恐怖症」を訴えていました。
外傷性頚部症候群とは、所謂「むち打ち」ですね。

一般的には1~2週間安静にして、治療自体も3ケ月くらいで症状固定となろうかと思います。
勿論、これ以上長引く事もありますが、保険会社から治療の打ち切りを言われるのも凡そ3ケ月といったところかと思います。

今回の例でも、治療期間に応じた傷害慰謝料として、75万円が認定されました。

では、自動車恐怖症については、どうだったのでしょうか・・・

自動車恐怖症って何だ?と思われるかもしれませんが、
この原告は、所謂「PTSD」の事を言っています。

外傷後のストレス障害の事ですね。

裁判所は、このPTSDに関しては否定をしました。

ところが、原告に自動車恐怖症という後遺症が残った事に伴う「将来における逸失利益」を肯定し、本件自己の程度と元々のこの原告の性格的な要素を差引き、後遺障害慰謝料として80万円を認めたのです。

これは、PTSDが問題となる事件で大いに参考になる判例ですね。

疾患としてのPTSDは否定するものの、●●恐怖症といった「感情」を残した事自体が、後遺症だという判断なのですから、「今後、●●が怖くなってしまった」という主張は、傷害事件の場合は通用する余地があるという事です。

因みに、今回の当該判断をするにあたっては、米国精神医学会の診断基準(DSM-Ⅳ)を用いた様です。

DSM:
精神疾患の診断・統計マニュアル(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders)」といい、その頭文字を略してDSMと呼びます。
※現在は第5版です。

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