「交通事故治療中の他の治療」です。
事故に起因するケガの治療と並行して他の病気について治療する場合があると思います。
今回の事例はその様な事例でした。
被害者は、歩道を自転車を引いて横断中に自動車に衝突されました。
本件交通事故により、頭部外傷、右脛骨骨折など、入院日数合計198日、実通院日数52日の治療が必要となり、
更に症状固定後も痛みが残った為、自動車保険料算定会により、後遺障害等級併合11級の「事前認定」を受けていました。
※事前認定とは
加害者側の保険会社に丸投げして、等級をとってもらうこと。
非常に楽ではありますが、欠点も多く、逆に「被害者請求」という手続方法も有りますので、折をみてご案内します。
それに伴い、入通院慰謝料350万円、後遺障害慰謝料400万円を請求したのです。
ところがこの被害者の方は、同時に本件交通事故の治療とは関係の無い、別の病気の治療も受けておりました。
これは、有り勝ちな事ではありますよね。
ただし、今回の件では、この別件の病気の治療が、本件交通事故の治療の中で特に骨折治癒に関し、「治癒を遅らせた疑いも残る」と判断されてしまったのです。
医療は不透明な部分もありますから、因果関係が不明瞭でも可能性が無いとは言えないとしてネガティブに捉えられてしまう事もあるのです。
今回は、その例で、結局、慰謝料は減額され、
入通院慰謝料270万円
後遺障害慰謝料360万円
の認定となりました。
合計で120万円も減額されており、そんなバカな!と思われるかもしれませんが、ケガの治療と並行して他の病気の治療をする場合は注意が必要ということは覚えておくと良いですね。