親の「しつけ」の話し。
レストランの中で子供が走り周って騒いでいても、親はスマホを片手に無関心で何も注意しない・・・
一方で、人の親とは思えないような虐待をする人間も存在し、最近の親はどうなっているんだーといった声もよく聞きますね。
子どもの虐待事件が後を絶たず、痛ましいニュースもよくメディアで取り上げられています。
そこで、親の「しつけ」についても記載された、「改正児童虐待防止法」が遂に来年の4月に施行されますね。
これによると仮に親の「しつけ」であっても、体罰を加えてはならないという事になります。
何が体罰にあたるかは、今後精査していくようですが、暴力は勿論のこと、「暴言」も許されないといった意見も出ている様です。
ローマ法に関連する方の格言に「法は家庭に入らず」というものがありました。
家族間のルールは家族で決めて、道義的な対応が成されるべきであり、あまり法律を介入させるべきでないという考え方です。
この効果として、有名なのが、刑法の親族間の特例(親族同士の窃盗などでは刑が免除される)や民事の協議離婚の制度が挙げられます。
しつけは勿論ですが親族間のある一定の事には法は介入しなかったのです。
今回の「しつけ」に関連する条文としては、以下の2つが御座います。
民法第820条
親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し義務を負う。
民法第822条
親権を行う者は、第820条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができる。
親は、子の利益のために必要な範囲内で懲戒権をもっています。
しかし、昨今、親のしつけが、子の利益の為でなかったり、度が過ぎる為に児童虐待防止法やDV防止法に抵触する様な事件も多くなり、法が関与せざるを得ないところまできてしまっているのですね。
民法の懲戒権とのバランスをどうするかが今後のポイントのようです。
それにしても「暴言」も駄目となると、強くしかりつける事は言葉だけでも駄目という事になりますね。
虐待なんてする親はごく一部ですし、子供の事を真剣に考えれば、考える程、多少熱くなり声が大きくなってしまう事もあると思います。
親のしつけについて、そこまで「一律に」法が介入するべきなのか悩ましいところですね。