快適で健康な生活に必須なことのつながりで、騒音のお話しをご紹介します。
■ご相談内容
隣が町工場で騒音と振動が酷く、ノイローゼになりそうです。
何か騒音や振動を規制する法律などはないのでしょうか?
■お答え
もちろん、ありますよ。
「騒音規制法・振動規制法」という法律です。
これは、生活環境を守る必要がある特定の地域(指定地域といいます)において、特定工場などから発生する騒音や振動を一定基準内に規制する法律です。
では、この指定地域と基準を決めるのは誰でしょうか?
そうです。お住まいの各自治体ですね。
基本的に都道府県知事が定めるものとされていますが、市町村の条例で変更することも可能ですので、担当窓口に聞いてしまうのが一番ですね。
担当は各市町村の「公害担当課」です。
実は、この2つの法律以外に「公害防止条例」などを定めている自治体もあり、これは、更に規制を厳重にすることが出来ますので、この条例が無いかどうかもチェックポイントです。
こういった基本の規制があることをまず抑えた上で、どうしても耐え難い騒音や振動がある時は、それを発生させている相手に直接、差止めや損害賠償請求する事も出来ます。(大阪地判昭63.5.30等)
その時に出て来るのが、「受忍限度」です。
日照権でも出てきましたね。
受忍限度を超えるかどうかに関しては、総合的に考慮して決められるというお話しをしましたが、騒音・振動の場合に加味される事項は、
■騒音や振動の大きさ
■その長さ、時間帯
■周辺の土地の利用されている状況
■防止の為の努力をしていたかどうか
■騒音を発生させている施設がはたして必要なのかどうか
■他のエリアへの移設はできないか
等です。
日照権と同じで、平穏な生活を守る事は基本的人権として大変重要な事ですので、この様に、考慮してくれるのですね。
考慮してくれる事がわかっている以上、いざ騒音・振動に悩んだ際は、
基本事項を抑えた上で、請求が認められやすい主張をしていくようにしましょう。