告訴の方式は?
告訴は、書面または口頭で検察官(司法警察官)にしなければなりません。もちろん、代理人によって告訴をすることもできます。
書面による告訴
通常は、告訴状と題する書面によって行いますが、捜査機関に対して、告訴の趣旨が明らかにされているのであれば十分であり、その方式に制約はありません。例えば、告発状、上申書などと表示されていても何らかの表題がない場合であったとしても書面の記載内容が犯罪事実を特定して申告し犯人の処罰を求める趣旨ものであれば、書面による有効な告訴といえます。
口頭による告訴
口頭により告訴があった場合には、事後に調書の作成が予定されていることから、捜査機関の面前においてなされることを要し、対面口頭であることが必要とされています。判例によりますと、電話での告訴は無効とされています。
告訴・告訴の取消の代理
告訴または告訴の取消は、代理人によってすることもできます。この代理人の資格には何の制限もありません(委任に基づく任意代理人)。告訴人は、告訴すべき事項を限って告訴権を代理人に授権してもよいし、取消権などを含めて包括して委任しても構いません。この場合の委任状など書面の必要性については、委任の意思が明らかにされていればよいものと判例ではなっています。しかし、代理人として告訴をする場合には、やはり委任を受けた事実を証明するものなので、告訴権者からの委任状によって代理人の資格を明らかにしています。
犯罪捜査規範第66条には、「被害者の代理人から告訴を受ける場合には、委任状を差し出す忘れなければならない。」と規定されています。
告訴の受理機関
告訴を有効に受理する権限を持つものは、検察官と司法警察員であって、検察事務官や司法巡査には告訴受理の権限はありません。しかし、検察事務官や司法巡査でも告訴の取り次ぎはできるとされています。この場合には告訴人の意思表示が検察官・司法警察員に到達したときに告訴の効力が生じるものとなっています。
告訴の処理
司法警察員は、通常の場合は一定の捜査を遂げた上、事件を検察官に送致しなければならないとされています。(告訴に関わる事件については、裏面に複雑な事情が介在する場合が多いなどと言う性質から、捜査の当初から検察官に適当であるものと考えられています。)
刑事訴訟法は、告訴受理したときには速やかに書類及び証拠物を検察官に送付しなければならないと規定しています。(刑事訴訟法242条)
地方警察官は、告訴に関わる事件については必ず検察官に送付しなければならないのです。よって、司法警察員限りで事件を終結させる『微罪処分』は告訴事件については認められていません。